Teacher&Student
学生対談
キャリアサポート
Teacher
道原 亜希子先生
キャリアサポート
Student
中谷 野乃華さん
クリエイティブデザイン科2年
Teacher
道原 亜希子先生
キャリアサポート
Student
中谷 野乃華さん
クリエイティブデザイン科2年
10社を徹底比較!自分にぴったりの企業を「厳選」した就活スタイル
- インタビュアーA:
- では本題に入りましょう。中谷さんは、就活をどんな感じで進めましたか? 時系列で教えてください。
- 中谷さん:
- とにかくたくさん会社説明会に参加しました。3ヶ月間で10社近く参加したと思います。説明会を受けた後に企業のホームページや制作物を見て、自分のやりたいことと合っているかをすごく重視して選びました。
- インタビュアーA:
- それは何月くらいの出来事ですか?
- 中谷さん:
- 夏から秋にかけてですね。
- インタビュアーA:
- それから何社くらい選考に進んだんですか?
- 中谷さん:
- エントリーシートを出したのは2社です。
- インタビュアーA:
- おお、2社だけ! そのうちの1社に受かったんですね。説明会にはたくさん行ったけど、厳選したと。
- 中谷さん:
- 自分のやりたいことや、会社の雰囲気が自分の性格と合うかをすごく悩んでしまって。なかなか決められなくて、結局エントリーしたのは2社だけでした。
- インタビュアーA:
- 差し支えなければ、選ぶ基準はどんなところでしたか?
- 中谷さん:
- まず業務内容です。もともとグラフィックデザインをやりたかったので、DTPやパッケージの製図に特化したところは除いていました。あとは、今年からデザイナー枠を採用しますという会社もあって、「新卒でもやる気があればOK」という感じだったのですが、新卒で入ってデザイナーの先輩が一人もいないという状況が怖かったんです。学べる環境がある方がいいなと思って選びました。
- 道原先生:
- 中谷さんはちゃんと考えて就活する、慎重で厳選するタイプだよね。
- インタビュアーA:
- では道原先生は、中谷さんの就活にどのように関わりましたか?
- 道原先生:
- 一番最初は夏休み前ですね。「進路って一体何から始めればいいですか?」という相談からでした。エントリーとは何か、履歴書を書いて面接をする……という手順を1から説明しました。そこから少し期間が空いたよね。
- 中谷さん:
- 夏休みを挟みましたね。その間はポートフォリオを作っていました。
- 道原先生:
- その後、スポーツ大会の時にたまたま悩みを喋っていて。誰かが「悩みを聞いてあげてくださいよ」と言ったのがきっかけで、本格的に面談をして「とりあえず説明会に参加しまくろう」という話になった気がします。
- インタビュアーA:
- 道原先生は多くの学生を見ていますが、就活中の中谷さんはどんなタイプでしたか?
- 道原先生:
- すごく素直です。「何からすればいいですか?」という状態から、言ったことをそのまま「なるほど」と受け入れてくれる。何の邪念もなく真っ白なキャンバスのようでした。
- インタビュアーA:
- それは教える側からしたらサポートしやすいですよね。
- 道原先生:
- ただ、本人は何をすればいいか分からず身動きが取れなくなっていたので、やりたいことや働きたい場所を聞きながら、少しずつ「東京でグラフィックデザイナーだね」と絞り込んでいった感じです。
焦りと不安で泣いた日も。立ち止まることで見えた「次の一歩」
- インタビュアーA:
- 中谷さん、就活中に心が折れそうになった瞬間はありましたか?
- 中谷さん:
- やっぱり友達の内定が決まっていく中で、自分だけ行きたい企業すら決まっていない時が、精神的に一番しんどかったです。人より進んでいないから「やらなきゃ」と思う反面、不安でどんどん行動ができなくなってしまって。一度、泣きながら道原先生に相談しに行きました。
- インタビュアーA:
- その時はどんな話を?
- 中谷さん:
- 具体的な報告は何もできなかったんですけど、「不安で何もできていない」という状況を全部伝えたら、先生が「今何をいつまでにやるべきか」を一つずつ確認してくださったんです。それで気持ちを立て直せました。
- 道原先生:
- あの時はいつも一緒にいる友人二人が、1社受けてすんなり決まっちゃった時期だったよね。
- 中谷さん:
- そうです。あれは本当に焦りました。
- 道原先生:
- あの時のサポートとしては、「これやれ、あれやれ」と言うよりは、まず中谷さんの気持ちを整理して落ち着かせることを優先しました。本当は「どんどん受けていこう」という話をすべき時期だったんですけど、状況を見て、一旦立ち止まるような現状確認の面談にしました。
- インタビュアーA:
- 落ち込んでいる学生に対して、道原先生が普段心がけているアドバイスはありますか?
- 道原先生:
- 不安な表情を見せた時は、グイグイ進ませるのではなく一旦全て話を聞くようにしています。「何がつらいのか」を自分で喋ることで、学生自身が気づけたり整理できたりしますから。結局、自分が「やりたい」「この会社を受けたい」と思わないと熱が入らないので、それを引き出すために「聞くこと」に徹しています。
- インタビュアーA:
- 中谷さん、就活のモチベーションはどう保っていましたか?
- 中谷さん:
- 正直、モチベーションがあった記憶があまりなくて(笑)。とにかく「ポートフォリオを出せ」と言われたら出す、という感じで進んでいきました。
- インタビュアーA:
- やりたくない時や落ち込んだ時はどうしていました?
- 中谷さん:
- 私は友達と話すことが多いです。話しているうちに気が紛れて、「よし、やるか」とテンションを上げることができます。
- インタビュアーA:
- それが分かっているのは大事なことだよね。就職してからも助けてくれる友達がいれば大丈夫。
- スキルよりも:
- 人柄」が大切。面接官が知りたいあなたの「考え方」
- インタビュアーA:
- 次の質問です。実際の面接ではどんなことを聞かれましたか?
- 中谷さん:
- 技術やスキルよりも、「仕事が辛くなった時にどう乗り越えますか」「嫌いな人はどんな人ですか」といった、考え方や人柄を見るような質問が多かったです。「なぜそう行動したのか」という意図を知りたいんだなと感じました。
- インタビュアーA:
- ちなみに「嫌いな人」にはどう答えたんですか?
- 中谷さん:
- 「意見を受け入れる前に否定から入る人」と答えました。自分の意見を持つことは大切だけど、相手の意見を取り入れる前に否定するのは自分の知見も広がらないし、円満な解決にもならないから苦手です、と。
- 道原先生:
- 模範解答だね。
- インタビュアーA:
- 道原先生、面接で定番の「志望動機」や「強み」を聞く企業の意図は何だと思いますか?
- 道原先生:
- 全ては「志望意欲」を測るためだと思います。本当にその会社に入りたいなら、その会社で活かせる強みや趣味をアピールしようと努力するはずですから。人柄を知ることはもちろんですが、最終的にはその業界や会社に対してどれだけ本気か、という熱量を見ているのだと思います。
「好き」を最大限にアピール!内定を勝ち取ったポートフォリオ戦略
- インタビュアーA:
- ポートフォリオについてもお聞きします。中谷さんはどう個性を込めましたか?
- 中谷さん:
- イラストを描くことが強みだったので、授業内外の作品をたくさん入れました。パッと見て「面白そう」「可愛い」と思ってもらえるように作成しました。
- インタビュアーA:
- 構成の戦略はありましたか?
- 中谷さん:
- 自分の作品を最大限見せられるよう、得意分野や力を入れた進級制作を一番最初に持ってきました。あとは受ける企業に合わせて、ノベルティグッズの企画やロゴ制作など、業務内容に近い授業の作品を手前に配置しました。
- インタビュアーA:
- 内定先の業務に合わせたわけですね。
- 中谷さん:
- はい。内定をいただいた会社もノベルティグッズ制作の会社だったので。
- 道原先生:
- 中谷さんのデザインは本当に可愛いんですよ。
- インタビュアーA:
- 道原先生、企業が求めるポートフォリオとはどんなものですか?
- 道原先生:
- 全体的に言えるのは「その人の『好き』がそこに入っているか」です。好きなものに対しては時間をかけて向き合うはずですから、企業はそこを見ています。その会社で実際にできるものと、マッチしてるかどうかっていうのを測る意味もあります。あとは「分かりやすさ」。制作時間や、どこに一番力を入れたかが一目で分かること。イラストなら特定のテイストだけでなく、「老若男女描けます」「背景やメカも描けます」といった幅の広さも見たいそうです。
- インタビュアーA:
- ポートフォリオ以外で、人として求められる要素は何でしょうか。
- 道原先生:
- 新卒なら「素直さ」です。教えることを吸収できるかどうか。あとは何と言っても「コミュニケーション能力」。どの部署でも人との関わりは避けられませんから、人の意図を汲み取って形にできる力は絶対に見られます。
- インタビュアーA:
- 中谷さんはその基準で言うといかがですか?
- 道原先生:
- 完璧ですよ(笑)。素直だし、喋っていても喜怒哀楽が豊かで熱量が伝わってくる。身だしなみも整えられているし、人からどう見られるかを気にできるのは、デザインの仕事でも大事なことですから。
- 振り返って気づいた:
- こだわり」。思考のプロセスとプロの技術を活用しよう
- インタビュアーA:
- 中谷さん、今過去の制作物を直すとしたら、どこを変えたいですか?
- 中谷さん:
- もっと「なぜこの企画にしたか」「どんな意図を込めたか」という思考プロセスを入れたいですね。作品自体のクオリティだけでなく、受け手に伝わる工夫をしたいです。今の視点で見ると、当時のポートフォリオは56点くらいです……。
- インタビュアーA:
- 厳しい評価ですね。
- 中谷さん:
- 当時は3日くらいで必死に作ったので。あとは写真ですね。立体作品をiPhoneで撮っていたんですけど、やっぱりプロに撮ってもらった写真とではビジュアルの魅力が全然違います。
- 道原先生:
- 学校に作品撮りをしてくれる写真映像科の学生がいるんだから、絶対に頼んだほうがいいよね。終わってから気づくことだけど。
- デザイン業界で活躍し続けるコツは:
- 学ぶ姿勢」と「柔軟なこだわり」
- インタビュアーA:
- では次の質問です。デザイン業界で長く生き残るには、どんな人が向いていると思いますか?
- 中谷さん:
- 継続力があって、学ぶ姿勢を持ち続けられる人だと思います。授業でもしっかりメモを取って吸収している子は、驚くほど上達しています。センスだけでなく、意欲や忍耐力がある人が生き残るのではないでしょうか。
- 道原先生:
- 卒業生に関して言えば、中谷さんが言ったように、自分の好きなことや目標に対して「学ぶ姿勢」がある人ですね。 加えて、フットワークが軽く、目標が明確な人は強いと感じます。
- インタビュアーA:
- 他に意外な共通点はありますか?
- 道原先生:
- 実は、学校に「愚痴を言いに来る子」は長く続けていることが多いです(笑)。
- インタビュアーA:
- 溜め込まずに、ちゃんと吐き出せるということですね。
- 道原先生:
- そうですね。本人が「辞めたい」「作業が多くて大変だ」とこぼしていても、なんだかんだと長く続けているケースは多いですよ。 卒業して就職した後に、すぐ愚痴を言いに学校へ来る子もいます。
- 中谷さん:
- 先生のところにお話ししに来るんですか?
- 道原先生:
- そうなんです。最近も、たまたま仕事の依頼で連絡を取った卒業生から「先生、話しに行っていいですか?」と言われ、会社の現状や今の思いを話しに来てくれました。 誰かに吐き出して消化できる人は、結果的に長く続いている印象があります。
- インタビュアーA:
- 講師の先生だとどんな人が向いていると思いますか?
- 道原先生:
- 講師の先生たちを見ていると、「自分のこだわりを捨てられる人」が強いなと感じます。もちろんこだわりは大事ですが、仕事として「売れるもの」「求められているもの」を割り切って作れる。その上で、自分の作品を作る時は徹底的にこだわる。そうやってうまく使い分けができる人が長く続いている印象です。
お互いへ感謝のエール
- インタビュアーA:
- それでは、中谷さんからお世話になった道原先生へ感謝の言葉をお願いします。
- 中谷さん:
- なかなか就活に取り組めず悩んでいた時期、道原先生が背中を押してくださったおかげで、しっかりと活動に向き合い、納得のいく形で就職を決めることができました。迷った時にいつでも相談できる環境があったことが、私にとってはすごく大きかったです。本当に先生がいてくださって良かったです。感謝しています。
- 道原先生:
- うわあ、嬉しいですね。ありがとうございます。
- インタビュアーA:
- 何か具体的に印象に残っている出来事はありますか?
- 中谷さん:
- 実は一度、泣きながら道原先生のもとへ相談に行ったことがあったんです。やるべきこともできておらず、時間も遅れて行ってしまったので、正直「怒られるかな」と思っていました。でも、先生は責めるのではなく、まずは私の状況をじっくり聞いてくださって。その上で「今の中谷さんにはこれが必要だね」と一つひとつ整理してくれました。その時の温かい対応には、本当に助けられました。
- インタビュアーA:
- では、道原先生から中谷さんにエールをお願いします。
- 道原先生:
- 中谷さんは「10社説明会を聞いて2社しか受けていない」と言っていましたが、そうとは思えないほど、色々な相談をしましたね。説明会の参加だけでなく、何か質問があればすぐに来たり、他の先生を頼ったりする姿も見ていました。頑張っている姿がすごく伝わってきたからこそ、私も本気でサポートしたいと思えました。最終的に中谷さんが一番行きたい業界に決まって、本当によかったです。応援しています、頑張って!
- 中谷さん:
- ありがとうございます。
- 道原先生:
- 学生が頑張る姿を見ることは、私たちにとっても活力や新しい発見に繋がっています。こちらこそ、感謝していますよ。
- インタビュアーA:
- 素晴らしいですね。道原先生、これから就活に臨む学生全体へのエールもお願いします。
- 道原先生:
- どんな仕事がしたいか、何に向いているのか、そのためにどんな会社が合っているのかを一緒に考えていきましょう。就活は一人ではありません。ぜひ人に頼ってください。
高校生へ:2年間の学びが人生を変える。今の「好き」を未来の武器に
- インタビュアーA:
- では最後に、高校生に向けてアドバイスはありますか?
- 道原先生:
- 私は就職の担当ですが、学校としては進路全体のサポートを行っています。就職を希望する人だけでなく、漫画家やフリーのイラストレーターになりたいといった明確な目標がある子たちも、卒業してすぐ、あるいは数年後には夢を叶えている姿を多く見てきました。
入学後も卒業後も、学校には学生のやりたいことをサポートする態勢がありますので、ぜひ頼ってほしいと思います。 専門学校での生活はたった2年かもしれませんが、その後の人生に大きく関わります。自分に合った、やりたいことが実現できる学校かどうかを、ぜひ判断してみてください。 - 中谷さん:
- 今は将来が不安かもしれませんが、今の時代は何でも武器になります。自分の「好き」や「得意」を大切にして、人生を楽しんでほしいです。
- インタビュアーA:
- 中谷さん自身、この2年で変わりましたか?
- 中谷さん:
- 高校時代より自分の意志を強く持てるようになった気がします。親元を離れて一人暮らしを始めたことも大きいですが、自分で決断できるようになったと感じています。
- インタビュアーA:
- 本日はありがとうございました。
- 道原先生・中谷さん:
- ありがとうございました。