azoth
製造部
青木晴喜さん

卒業生インタビュー

Tシャツ制作を総合的に手がけるデザインファクトリー。特にシルクスクリーンでの加工が得意で、著名なキャラクター商品、ライセンス案件、イベント物販を幅広く手掛ける。卸町の築50年の物件をリノベーションしGallery A8Tも併設。

写真:青木晴喜さん

学生の時間だからこそ、できることがある

インタビュアーA:
「学生のうちにもっとやっておけばよかったこと」はなんですか?
青木さん:
デッサンですね。個人的には面白くないのであんまり好きじゃないのですが。でも間違いなくやったほうがいいんですよね、やっぱり。 働いてからだと時間が取れないし、なかなか苦手なことにも手を付けられない。 だからこそ、その学校の授業として、無理やりにでもやらせてたのが、やっぱ良かったんですけど。 やっぱりもっと授業の中でしっかり取り組めばよかったかなっていう風に思います。
インタビュアーA:
他にも何かありますか?
青木さん:
他の人の作品をもっと見れば良かったなぁと思います。 今はもうネットに転がってる絵しか見れないじゃないですか。 学校に行って同い年で一緒に絵を描くってなると、やっぱり競い合えるし、その人の成長を見て自分の焦りとかもあって、それが逆にモチベーションに繋がってたので。 やっぱり今はもう一人でやるしかないっていうのがちょっと、実際に伸び悩むというか、そういう感じですね。
インタビュアーA:
今、絵はどのくらい描いていますか?
青木さん:
月に1枚書き上げるくらいのペースで描いてはいるんですけど、やっぱり仕事をしていることもあって、学生の頃に比べたら進みは遅いっすね。
インタビュアーA:
絵の仕事はありますか?卒業後に依頼があったCDジャケットの制作以降。
青木さん:
いや、あんまりないです。昔の絵と比べると書き込みが雑になっている気がしますし、モチベーションも含めて最近は少し下がり気味なので、今は落ち着いている期間かなと感じています。 仕事以外だと、先週終わったグループ展に出展したくらいですね。 たまにメールでお話はいただくんですけど、漫画などは期間的に絶対に描けないのでお断りしています。 なので、今のところ仕事としては受けていないですね。
インタビュアーA:
ゆくゆくは、そういう絵の仕事ができればいいなという感じかな。
青木さん:
そうですね。そこはマストで目指している所ではあります。

卒業制作で見つけた、自分だけの表現

写真:青木晴喜さんインタビュー
インタビュアーA:
クラスメイトとの思い出や切磋琢磨した瞬間について教えてください。
青木さん:
卒業制作ですね。1年次の進級制作では思うように進まず、満足のいく作品が作れなかった悔しさもあり、誰にも負けないものを作ろうと決めて制作しました。 デジタルで5枚ほど「無音」というタイトルだったと思います。
インタビュアーA:
あの年、賞を取ったのは誰でしたっけ?
青木さん:
僕です。グランプリと、学校全体の投票でオーディエンス賞をいただきました!
ニチデ入学時、絵を描くって言ったらシャーペンと鉛筆で描くぐらいだったんです。 だから絵の具もデジタルも1回も触ったことなくて。 で、やっぱりみんなデジタル使えるし、上手いし。 僕には「何ができるんだ」って言ったら下描き程度のようなもので。 他の子と比べると全然ダメダメだったんですよね。やっぱりそれが悔しくて。
インタビュアーA:
それを乗り越えたきっかけは?
青木さん:
卒制のタイミングで、たまたま美術館で「コローから印象派へ」っていう展示会をやってたんですよ。個人的に見に行って。当時の人たちの生活をそのまま写して描いたみたいな感じだと思うんですけど、なんか生活して動きはあるけど躍動感とかは感じないし、本当に「無音」のような。いい意味で何も感じなかった。なんか自然すぎて。
インタビュアーA:
自然すぎて。
青木さん:
それ見た時に、あ、なんか僕は多分こういうのを描きたいんだなと思って。そこですごいまとまったっていうか。「無音」っていうタイトルでデジタルで描いて。
インタビュアーA:
最後にバシッと取ったね。
青木さん:
これくらいの専門の時期って、みんな「自分が何描きたいんだろう」って悩んでいる時期だと思うんですよ。 僕はなんかそこで上手く吹っ切れたような気がします。だから卒制がすごい個人的には良い行事だったなって思います。

自分を出せるきっかけを掴む

インタビュアーA:
でも本当に一番気になるのは、1年生から2年生にかけて青木さんの性格が急に吹っ切れたように見えたのですが。
青木さん:
僕は、もともとやかましい感じなんですよ。
インタビュアーA:
それが何をきっかけに、2年生でちゃんと自分を出せるようになったのかがずっと気になっていて。
青木さん:
本当は、僕がこの専門学校に入ったのは、クラスに10人くらいいて色んな人と勝負しながらレベルを上げていくイメージだったんです。でも入ってみたら自分以外に3人しかいなくて、しかも女の子しかいない。イメージと全く違っていたし、僕以外のみんなは機材も上手く扱えていたから、1年生の時は結構落ち込んでいた期間だったんですよね。
インタビュアーA:
そうだったんですね。
青木さん:
でも進級制作の最後の方で、他の子たちと作品を見せ合ったり話したりするようになって。僕から話しかけたわけじゃなかったんですけど、彼女たちのほうから話しかけてくれたんです。そこから少しずつ打ち解けて、2年生に上がってからは一緒にご飯やカラオケに行くようにもなりました。そこから他学科の友人たちとも会うようになって。時間が解決してくれたというか、本来の姿に戻ったような感じですね。ようやく素の自分を出せるきっかけが掴めたんだと思います。
インタビュアーA:
自分に置き換えて考えてみても、それは分かります。4人しかいないクラスで自分だけが男子、しかも周りは機材を使いこなして上手いとなれば、そうなりますよね。逆に、1年かけてよくそこまで楽しくなるように持っていけましたね。そこで終わってしまう子も多いですよね。
青木さん:
捉え方の問題ですが、僕は専門学校に「時間を買いに来ている」というイメージでした。大学という選択肢もありましたが、絵以外の授業も受けなければならないのが面倒に感じて。絵を描くことに集中できる自由な時間が多いのは専門学校だと思ったんです。クラスメイトが少なかったり男子が自分一人だったりしたことも、最初は落ち込んだ原因ではありましたが、そこで辞めてしまったら、もう二度と描かなくなる気がして。そもそも絵を描くために入学したわけですから、続けてよかったと思っています。
インタビュアーB:
なるほど。
青木さん:
だから、いかに授業以外の時間を大事にするかっていうか。 授業って、もうやり方を教えてもらうようなイメージ。 教えてもらった後に、自分がそれを使ってどんだけ頑張るかっていう考えだったから。 だから、すぐみんな家に帰ってましたけど、やっぱ自習するべきですよね。 2階の飲食ブースに放課後から閉館時間まで残って作業していました。
インタビュアーA:
青木くんはそこで何をしてたんですか?
青木さん:
ずっと絵を描いてました。僕、1年生の頃、女の子が描けなくて。校長に、水着を着せた女の子を描いてもずっと「男」だと思われてたんですよ(笑)。だからずっと女の子を描く練習をしてました。家に帰ったら絶対作業が進まないから。
インタビュアーB:
その自律心が素晴らしいですね。
青木さん:
自分で学費を払っているからというのもあると思います。 奨学金ですけど、結局自分で後で返さなきゃいけないから、もったいない。 物と一緒じゃないですか。自分で買わないとなんか価値が上がらないんですよ。

不採用という「一回落ちる」経験

インタビュアーA:
就活についても聞かせてください。「1社目を受けることが大事だ」と書いてありますね。アゾット以外も受けていたんですか?
青木さん:
2、3社受けました。1つは仙台の広告関係で、もう1つは東京の美術レプリカの販売店。実は、最初はギャラリー勤務を志望していたんです。でも、当時の僕はどう考えてもギャラリー向きの人間ではなかったので(笑)。
インタビュアーA:
あはは(笑)。
青木さん:
それで流れで今の工場に入ることになりました。シルクスクリーンのプリントって、他にはなかなかない仕事だと思うんです。実際働いてみると、もともと古着が好きだったこともあって凄く楽しいですね。絵にも活かせていて、服のシワや質感が資料を見なくても描き分けられるようになりました。
インタビュアーA:
人を描く時に服のシルエットやドレープは重要だもんね。1社目に落ちた時はどうでしたか?
青木さん:
めちゃくちゃ落ち込みましたけど、結果的に落ちて良かったです。僕は運が良いんですよ。
インタビュアーA:
でも、最初の一歩を踏み出すまでが大変だったんだよね。
青木さん:
そうですね。「受かったらどうしよう、運命が決まっちゃう」と考えてしまって。 でも先生に「一回落ちることも経験値になる」と言われて(笑)。 卒制の佳境でメンタルもボロボロの時期でしたけど、早い段階で一個受けて落ちる経験は大事だなと思いました。
インタビュアーA:
それで今の会社へ……。
青木さん:
殴り込みに行きましたね(笑)。現場が体育会系のある子を欲しがっていて、運動部出身の僕を推薦していただいたんです。

プロの現場と「自分の幼稚さ」

写真:青木晴喜さんインタビュー
インタビュアーA:
入社して最初に感じたギャップは何でしたか?
青木さん:
「自分の幼稚さ」ですね。社会と学校は全然違う。いつまでもヘラヘラしてるわけにもいかない。 大人になろうと思った時期でした。 今一緒に仕事をしてると、上司は扱う案件とか凄みがやっぱりすごくて、尊敬するし、他の人からも学ぶ所しかないので。 本当に良い環境で働かせていただいてるなっていうのは思います。
インタビュアーB:
本当にしっかりしましたね。学校の特別授業で是非お話ししてもらいたい!
青木さん:
いや、僕喋れないですよ(笑)。 もっと絵の仕事とかで成果が出た後に。「誰?」っていう人の話は聞かないんですよ。 僕もそうですけど。やっぱ働いていて、すげーなって思う人の何がすごいかって、自分ができてないことが出来てて、目に見えるから。 人に何かを教えたり前に立つためには、それなりの成果がないとダサいし、胸張れなくないですか。
インタビュアーB:
かっこいいですね!
青木さん:
口で言ってるだけですけど(笑)。実際は何ができてるかって言ったら何もできてないんですけど、やっぱ「なめられたくない」っていうのが一番ありますね。
インタビュアーA:
ちなみに初めて仕事を任された時、どうでした?
青木さん:
刷るのも、毎日2時間くらいやらせていただいてるんですけど、やっぱ絶対ミスるんですよ。 次の日に出荷しなきゃいけないのに、前日に版を壊したら、現場の流れが一気に壊れる。 プレッシャーがすごく大きかったです。でも、上手くできた時はそれ以上に達成感があります。
インタビュアーA:
責任が大きい分、大きなやりがいに繋がっているんですね。3年間で一番嬉しかった仕事はありますか?
青木さん:
一つひとつの小さな積み重ねですね。色数が多い難しい柄を任されて、完璧に完成させた時に先輩方が声をかけてくれる。大きな「よっしゃー!」というよりは、小さな「嬉しい」がたくさんある感じです。
インタビュアーA:
イラストの先生が、この青木さんのインタビュー聞いたら、多分、泣いちゃう……。
青木さん:
いやいや(笑)。やっぱあれですよね、卒業してから先生の凄さって分かるじゃないですか。学生が夢見るのは「本を出す」といった大きな仕事ですけど、現場で小さな仕事を頻繁にこなしている人たちの凄さは、社会に出てから気付きました。
インタビュアーA:
それに気付ける人は大成しますよ。仕事のコツを早く掴めるようになる。

目的を持ち、視野を広げることが成長への近道

インタビュアーA:
最後に、業界を目指す高校生へのメッセージをお願いします。
青木さん:
まず「専門学校か大学か」で迷うと思うんですけど、専門学校に対してあまり良くないイメージを持っている子もいると思うんです。「誰でも入れる」とかね。でも、僕は専門学校に入って本当に良かった。集中できる時間が取れるし、同じ目的を持つ仲間と出会える。他学科の人とも繋がれば、将来一緒に仕事ができるかもしれない。勝手なイメージで決めつけず、「何を目的に入るのか」を大事にしてほしいです。僕は「時間を買う」ために入りました。
インタビュアーA:
あとは「自分のモチベーションを上げるものを見つける努力」とアンケートに書いてありましたね。
青木さん:
入学した後に行き詰まる時が来るんですよ。その時に、他人の絵を見て自分がどれだけ下手くそなのかを見たりとか。あとは先生によく「映画を見ろ」って言われてて、自分の好きな雰囲気の映画って分かってくると、絵に反映できる。映画のワンシーンを切り取ったようなイメージで描きたいと思えるようになった。
青木さん:
あとは、先生の意見を一回は取り入れたほうが良いですね。最初は納得できないと思うんですけど、大人の言ってることはまあ割と正しい。一回やってみて、合わなかったら辞めればいい。自分のちっちゃい枠に囚われるよりは、もっと色々見たほうが良い気がしますね。
インタビュアーB:
素晴らしい一言。本日はありがとうございました。
青木さん:
ありがとうございました。

ニチデの就職サポート

Job Hunting Support

就職サポートの充実はニチデの特徴の一つです。
あらゆる面からあなたの就職活動をバックアップします。

  • じっくり検討する

    最新の学校パンフレットを
    無料で自宅にお届け

    資料請求

  • まずは体験する!

    学校の雰囲気を体感!
    オープンキャンパスで先生や先輩に会おう

    オープンキャンパスに参加