マンガ家
斎藤ジュリアさん

卒業生インタビュー

福島県出身。
2009年デビュー作「キリキリMYハニー」で集英社発行マーガレットでデビュー。
「ハニートラップ」(短編)、「cherry」(短期連載等)を発表。2011年、初コミック「ハニートラップ」発売。2012年、同誌にて「サヨナラゲーム」を連載。 その他、朝井リョウ原作、「桐島、部活やめるってよ」のコミカライズを担当。
2016年9月から「シュガーボールダイアリー」を連載、2017年2月より2部連載中。

写真:斎藤ジュリアさん

プロの現場ならではの考え方や知識に触れられたことが、自分にとって大きな刺激に

当校広報担当:
専門学校に入学したとき、 最初に「プロになる」実感が湧いた瞬間はいつですか?
斎藤ジュリアさん:
当時ニチデでも講師をされていた「安孫子三和先生」や「ゆうみ・えこ先生」のアシスタントに入らせていただいた時ですね。
実際にプロのマンガ家さんの制作現場に入ることで、「どんな生活を送っていて」「どんなペースで原稿を進め」「どんな想いで作品と向き合っているのか」を間近に体感することできたんです。
それまで自分の頭の中で漠然としていた「マンガ家」という仕事が、一気に現実味を帯びて感じられたのを鮮明に覚えています!
当校広報担当:
なるほど。憧れのプロの現場を間近でみると、仕事へのイメージが一気にリアルになりますよね!
斎藤ジュリアさん:
本当にそうですね。それに、マンガ制作の技術だけじゃなく、編集部の方とのリアルなやり取りを見聞きできたこともすごく貴重な経験でした。
当時、一緒にアシスタントをしていた先輩たちからも、プロの現場ならではの考え方や知識をたくさん教えていただいて、大きな刺激になりました。

上には上がいる。その現実が、私を強くした。

当校広報担当:
学生時代に、プロの空気感に触れられたのは大きな経験でしたよね。クラスメイトとの思い出や “切磋琢磨した瞬間”はありますか?
斎藤ジュリアさん:
実は入学前に小さなマンガの賞をいただいたことがあって、当時は「自分はそれなりに絵が描けるぞ!」と思っていたんですよ…(笑)
当校広報担当:
すごい!入学前からすでに受賞経験が…!
斎藤ジュリアさん:
でも、いざ入学してみると周りには本当に絵が上手な人たちばかりで…。「こんなに実力のある人たちでも、まだプロになっていないんだ」と衝撃を受けました。「自分はもっともっと努力しなければデビューできない」と強く感じて、自分がまだまだ未熟だったことに早い段階で気づくことができました。
もし、ニチデに入学せず、一人でマンガを描き続けていたら、「自分に何が足りないのか」「今どのくらいのレベルにいるのか」を客観的に知ることはできなかったと思います。
当校広報担当:
同じ目標をもつクラスメイトや、プロの先生がいたからこそ、自分の現在地に気づくことができたということですね。
斎藤ジュリアさん:
そうですね。在学中はもちろん、卒業してからも友人たちがマンガ家を目指して頑張っている話を聞くたびに、「私も頑張ろう!」と前向きな気持ちになれましたね。
お互いに刺激を与え合える仲間と出会えたことは、とても大きな財産だと感じています。

支えがあったから、夢を諦めずにいられた。

写真:斎藤ジュリアさんインタビュー
当校広報担当:
お互いに高め合える仲間に出会えたのも、大きな財産ですね!デビューまでに一番苦労したこと、 またそれを乗り越えたきっかけを教えてください。
斎藤ジュリアさん:
一番大変だったのは、卒業後に仕事やアルバイトをしながら、マンガ家を目指し続けること、そして作品を描き続けるモチベーションを保つことでした。
思うように制作時間が取れない時期もあったんです…。
当校広報担当:
仕事と制作の両立は、かなり大変ですよね。
斎藤ジュリアさん:
でも、マンガから離れずにいられたのは、卒業後もアシスタントとして声をかけてくださった先生方の存在が大きかったです。プロの現場に関わり続けることで、「自分もデビューしたい」という気持ちを持ち続けることができました。
当校広報担当:
先生方の支えや、頑張る同級生の存在が大きな力になっていたんですね。
斎藤ジュリアさん:
はい!それと同時に、今でも尊敬するマンガ家である「矢口孝雄先生」の自伝マンガ 『青春のシッポ』を読み返すんですけど、 銀行員として働きながらマンガ家デビューを目指した先生の姿にすごく勇気をもらって、自分のモチベーションに繋げていましたね。
今振り返ると、先生方との出会いや切磋琢磨できる友人たち、そしてマンガそのものが、私の人生を支えてくれた大きな存在でした。

限界を超えた先が、本番。無茶ぶりは、成長のチャンス!

当校広報担当:
本当に出会いって大事ですよね…。「プロってこういうことか...!」と感じた瞬間があれば教えてください。
斎藤ジュリアさん:
プロになって実感したのは、「求められたことに応える力」が何より大切だということです。
例えば、急な増ページやカラー原稿の依頼って、正直かなり大変なんですけど、そういう無茶ぶりこそチャンスがあるんですよ。
「3割くらいなら何とかできるかもしれない」 と思えたら、まずは挑戦してみる。
その積み重ねがプロとしての経験値に繋がっていくんだと感じています。
当校広報担当:
締め切り前のプレッシャーもすごそうですよね…。
斎藤ジュリアさん:
締め切り前になると、「今回こそは本当に終わらないかもしれない…」と何度も思います。でも、不思議なことに締め切りが来る頃には、なんとか描き上がっているんですよね。
だから今では、締め切りは敵ではなく、「自分を最後まで走らせてくれる味方なんだ」と思っています。「限界を超えた先が、本番だ!」と考えられるようになったのは大きな成長ですね。
修羅場は本当に大変で苦しいのですけど、でもどこか”楽しい”と感じている自分がいます(笑)こういう経験を通して「プロってこういうことか」と感じる日々ですね。
どんなに大変な状況でも、「やっぱりマンガを描くのは楽しい!」と思えます。
当校広報担当:
大変さの中にも楽しさを見つけられることが、描き続けられる強さに繋がっているんですね。

『伝えたい』と『求められる』の、その先へ。

当校広報担当:
学生の頃と比べて、一番成長したと思うポイントはどこですか?
斎藤ジュリアさん:
どんなに追い詰められた状況や修羅場でも、笑って乗り越えられるようになったことです!
学生の頃は「デビューできる作品」を描くことばかりを考えていましたし、マンガ家になってからもしばらくは、「コンペで評価される作品」を意識して描いていました。
読者や編集者が求めているものを考えることは今でもとても大切にしていますが、経験を重ねるうちに、それと同じくらい「自分が本当に描きたいもの」を大切にできるようにもなりましたし、そのバランスが自然に取れるようになりました。
当校広報担当:
そこに行き着くまではすごく大変ですが、求められるニーズと描きたい想いのバランスが取れるようになっていったということですかね?
斎藤ジュリアさん:
まさにそうです!読者に楽しんでもらえることと、自分自身が心から描きたいと思えること。その両方を大切にしながら作品づくりができるようになったのは、色々挑戦や経験を重ねたからこその成長だなと感じます。

マンガを描けることは、当たり前じゃない。

当校広報担当:
逆に、プロとして「しんどい」と感じる瞬間や、気持ちの切り替え方はどうされていますか?
斎藤ジュリアさん:
締め切りに追われて眠れなかったり、「時間が足りない!」と焦ったりすることは、やっぱりあります。でも、一番辛かったのは、連載のネームがなかなか通らなくて、「マンガを描きたいのに描けない」時期だったんですよね。その経験をしたからこそ、今こうして忙しくても、マンガを描けていること自体がとても幸せなことなんだと感じられるようになりました。
当校広報担当:
「描けない苦しさ」を知っているからこそ、修羅場すら喜びに変わるということですね!
斎藤ジュリアさん:
そうなんです…!だから、どんなに修羅場でも「今、自分はマンガを描けている!」「このペン入れ、綺麗にできた!」と、小さな喜びを見つけるようにしています。
マンガを描くことが”好き”という気持ちや、描けなかった頃の”悔しさ”を思い出すと、不思議と「よし、頑張ろう」っていう気持ちになれるんですよね。今では、その気持ちが一番の切り替え方法になっています。

100人いれば100通りのマンガ家への道がある。大切なことは相談することもプロの仕事。

当校広報担当:
描けてなんぼの世界ですもんね…。では最後に、高校時代の自分にアドバイスと、同じ業界を目指す高校生に一言メッセージをお願いします!
斎藤ジュリアさん:
高校時代の自分には「もっと基礎を大切にしなさい!」 と言いたいですね。できれば、美術教室に通ってデッサンをしっかり学んでほしいですし、流行している作品も含め、好きな作品だけでなく、色んなジャンルのマンガを読んでほしいです。
たとえ自分の好みに合わなくても、一度は触れてみることで新しい発見があったりします。「やったことがないから」「自分には向いていないから」とやらない理由を探すんじゃなく、まずは挑戦してみよう!と過去の自分に伝えたい ですね。
当校広報担当:
最後に同じ業界を目指す高校生に一言メッセージをお願いします!
斎藤ジュリアさん:
マンガの世界に「これが正解」という道はありません。
100人いれば100通りの道があります。だからこそ、周りと比べ過ぎず、「マンガを描くのが楽しい!」という気持ちを何より大切にしてください。その気持ちが、 きっと一番の原動力になります!
それと、出版契約など大切な判断をするときは、一人で抱え込まずに、先生や先輩に相談することも忘れないでくださいね。周りに頼ることも、プロとして長く活躍するために大切なことだと思います!
当校広報担当:
「好き」という原動力を胸に、周囲に相談しながら長く走り続ける大切さが伝わってきました。本日は胸が熱くなるお話を本当にありがとうございました!

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